遺伝子のエクソーム解析について
エクソーム解析とは、遺伝子の中のエクソンと呼ばれる領域について解析することを指します。
遺伝子とはDNAのことですが、DNAはmRNAに転写され、さらにmRNAはタンパク質に翻訳されることは生物学での基本です。
ところが、実をいうとDNAの全ての領域が最終的にタンパク質になるわけではありません。
確かに一旦はDNAの全ての領域がmRNAに転写されるものの、そこでスプライシングと呼ばれる反応が起こり、長さが短くなるのです。
この残った部分のみがタンパク質に翻訳されることになります。
エクソンとは、DNAあるいはRNAの中で、最終的にタンパク質に翻訳される領域のことを指す用語です。
遺伝子もタンパク質も生物にとっては重要なものですから、スプライシングによっていわば捨てられてしまう部分があるとしてもその割合は少なく、エクソン領域がほとんど全てとまでは言わないまでも大部分を占めるのではないかと思う人がいるかもしれませんが、実はそうではありません。
何と、全てのDNAの中でエクソンにあたる領域は1%から1.5%程度に過ぎないのです。
先ほど書いたことはむしろ逆で、大部分はタンパク質には翻訳されない領域ということになります。
エクソーム解析はエクソン領域のみを解析することですが、これは要するに最終的にタンパク質になる部分のみに焦点を当てるということであり、タンパク質が生体で重要な役割を果たしていることを考えた場合に、効率性重視のやり方と言えます。